工作機械とは?

「工作機械」という名称を聞いたことはあるでしょうか?
私たちの身近にある製品の多くに関わっている機械ですが、直接目にする機会はあまりないでしょう。

今回は、工作機械とはどういったものなのか紹介していきます。

1. 工作機械とは?

工作機械とは、簡単に「材料を目的の形に加工する機械」と認識してもいいでしょう。

正確には、
「主として金属の工作物を,切削,研削などによって,又は電気,その他のエネルギーを利用して不要な部分を取り除き,所要の形状に作り上げる機械。」
と定義されています。

私たちが普段何気なく手にしているスマートフォンやタブレット、通勤通学に利用している自転車、自動車、電車など、私たちの身の回りには様々な製品であふれています。

これらの製品はいくつもの細かい部品から構成されており、例えば、スマートフォンであれば約1,500点、自動車であれば約30,000点の部品から構成されており、その部品の多くを作っているのが「工作機械」です。

工作機械がなければ製品を構成する部品を作ることができず、このことから工作機械は「機械を作る機械」や「マザーマシン」とも呼ばれています。正に、ものづくりを支えている機械と言えるでしょう。

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工作機械が作り出す「部品」から「製品」が作り出される

2. 工作機械の種類

工作機械は、いくつもの機械のことを総称して「工作機械」と呼ばれています。

円筒形状を加工するための「旋盤」
平面や溝を加工するための「フライス盤」
高精度な仕上げ加工を行う「研削盤」

など、これらはすべて工作機械に当たり、その性能、外見も様々です。今回は代表的な工作機械を紹介します。

旋盤

加工したい素材を回転させ、刃物をあてることにより、円筒形状に削り出す機械です。

外径加工、内径加工、端面加工、ネジ加工、溝加工、穴加工(ドリル加工)、円錐形状のような角度をつけたテーパー加工などが可能です。

旋盤についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

フライス盤

加工したい材料を固定し、フライスと呼ばれる刃物を回転させて当てることにより削り出しを行う機械です。

角ばった材料に対し、平面を作ったり、段差をつけたり、溝を入れたり、穴をあける時などに使用します。

フライス盤についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

マシニングセンタ

フライス盤と似た機械に「マシニングセンタ」があります。フライス盤との大きな違いとして自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)が付いているかいないか、という点が挙げられ、ATCの搭載によりフライス盤に比べて生産性が大きく向上しています。

マシニングセンタについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

複合加工機

複合加工機とは、工具の自動交換機能(タレット形を含む。)を備え、工作物の段取り替えなしに、フライス削り、旋削、研削などの多種類の加工のできる数値制御工作機械のことです。

複合加工機についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

3. NC装置(NC工作機械)とは?

「NC」とは「Numerical Control(数値制御)」を意味しており、NC装置が搭載された機械は、人間が直接機械を操作して加工を行うのではなく、予め作成しておいたプログラムをNC装置が認識し、機械に指示を送ることで、決められた数値通りに加工を行ってくれます。

汎用機による手動での加工から、NC装置による自動加工が可能になったことにより、製造業の大量生産化が一気に進んだといえるでしょう。現在、各工作機械メーカーが発表している新製品の機械のほとんどにはNC装置が搭載されています。

NC装置が付いている機械と付いていない機械は区別され、例えば旋盤であれば、NC装置が付いている旋盤を「NC旋盤」、NC装置が付いていない旋盤を「汎用旋盤」と分けて呼んでいます。

NC装置のメリット

自動加工

先に紹介した通り、作成した加工プログラムに沿って自動的に加工を行います。これにより、旋盤に作業者が付きっきりで作業をする必要がなくなるため、一人で複数台の機械を担当することができ、より少ない人員で工場を動かすことができます。

高精度

メーカーや機種によっても異なりますが、例えばNC旋盤であれば0.001mmの単位まで正確に位置決めを行うことができ、高精度な加工が可能です。これにより、従来では難しかった精度が要求される部品の加工も可能となりました。

精度が均一

プログラムで書かれた数値通りに旋盤が加工を行うことにより、完成品の精度が均一に仕上がり、一度設定してしまえば、同一品質の物を大量に作ることができます。

このように、NC装置によるメリットは数多くあり、NC装置なしでは現在の製造業の大量生産化は成しえなかったでしょう。

4. まとめ

工作機械は世界中のものづくりを支え、製品作りの元となる機械です。

身近にある製品は小型化、高性能化がどんどん進んでいますが、その背景には工作機械の性能・精度の向上が大きく関わっています。工作機械の進歩が無ければ、もしかしたら、身の回りの製品のいくつかは生み出されていなかったかもしれません。

この記事を読んで、工作機械について少しでも知ってもらえたなら幸いです。

引用:JIS規格票(https://kikakurui.com/b0/B0105-2012-01.html)