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NC旋盤とは?汎用旋盤との大きな違いを解説!

NC旋盤という機械をご存知でしょうか?普段の生活で見かけることはありませんが、世界中の多くの工場で稼働し続けています。

そもそも、「旋盤」って何??という方は、こちらの記事をご覧ください。

1. NC旋盤とは?

NC旋盤とは、汎用旋盤に数値制御装置(NC装置)を組み込んだ機械です。
(NC旋盤の「NC」とは「Numerical Control(数値制御)」を意味しています。)
一般的に、NC装置が付いている旋盤を「NC旋盤」、NC装置が付いていない旋盤を「汎用旋盤」と分けて呼んでいます。

実際にはNC装置だけでは作業者が機械に指示を送ることができないので、以下の3つが付くことでNC旋盤として加工をすることができます。
①NC装置・・・プログラムを認識し機械に指示を送る
②操作盤・・・作業者がNC装置への命令を行う
③サーボモータ・・・NC装置から指示を受けて機械を動かす

SC-100

また、NC旋盤を動かすためには、機械に指示を送るための「加工プログラム」を作成する必要があります。このプログラムをNC装置が認識し、各サーボモータに指示を送ることで加工を行います。

2. NC旋盤で何ができる?

2-1. 基本的な加工

NC旋盤とは汎用旋盤にNC装置が付いたものですので、基本的な加工性能は変わりません。
汎用旋盤と同じように、外径加工、内径加工、端面加工、ネジ加工、溝加工、穴加工(ドリル加工)、円錐形状のような角度をつけたテーパー加工などが可能です。

2-2. 汎用旋盤との違い

それでは、汎用旋盤との大きな違いは何でしょうか?大きな点として以下の3点が挙げられます。

自動加工

作成した加工プログラムに沿って自動的に加工を行いますこれにより、旋盤に作業者が付きっきりで作業をする必要がなくなるため、一人で複数台の機械を担当することができ、より少ない人員で工場を動かすことができます。

高精度

メーカーや機種によっても異なりますが、0.001mmの単位まで正確に位置決めを行うことができ、高精度な加工が可能ですこれにより、従来では難しかった部品の加工も可能となりました。

精度が均一

プログラムで書かれた数値通りに旋盤が加工を行うことにより、完成品の精度が均一に仕上がります。一度設定してしまえば、同一品質の物を大量に作ることができます。

3. NC旋盤の刃物台

旋盤での自動加工を考えたときに次にネックとなるのが「刃物台」です。

従来の汎用旋盤では、刃物台に付けられる工具本数が4本ほどしかなく、加工工程が多く、工具が多く必要となる製品を加工する場合は、人の手で工具の付替えを行う必要がありました。

NC旋盤のメリットである自動加工を生かすためには、工具付替え作業を無くす必要があり、様々なタイプの刃物台が作られました。

多くの種類がありますが、よく採用されている刃物台を紹介します。

タレット型

タレットと呼ばれる大きな円筒状になった台の周囲に工具を並べて配置したタイプです。多くのNC旋盤で採用されてり、特徴としては、円筒状に工具を配置することで、多くの工具を取り付けることができます。
また、タレット型での加工には強い剛性が求められるため、タレットの設計には様々な工夫が施されています。

タレット型刃物台

くし刃型

水平な台に工具を並べて配置したタイプです。工具が横に並んでいるため、工具の割り出し時間がいらず、繰返し精度が高いという特徴があります。ただし、工具が並んでいるため、加工時の干渉が起こりやすいという点に注意が必要です。

くし刃型刃物台

フラット型

汎用旋盤と同じ形状で、一つの面に一つの工具を付け、刃物台全体を回転させて工具を切り替えるタイプです。芯出しの作業を簡単に行うことができます。
刃物台の説明で紹介したように、セットできる工具本数が少ないため、加工途中で工具の付替えが必要となる場合があります。
※4角のものが主流ですが、8角や多角型のフラット型刃物台もあります。

フラット型刃物台

4. まとめ

機械での加工を行う上で「自動化」というのは大きなキーワードになります。特に大量生産するような製品の場合にとても大きな力を発揮します。

汎用旋盤からNC旋盤へ移り変わりは、製造業の大量生産化への大きな一歩と言えるでしょう。