― 精密加工に懸ける確かな技と探求心
今年開催された「石川県技能まつり」において、組立3課の谷内口さんが「組立仕上げ」競技で見事、第1位を獲得しました。
前職で3年、中村留精密工業に入社して4年と、計7年間にわたり組立の現場で経験を積み、技術を磨き続けてきました。
「もともと機械組立仕上げ1級の取得を目標にしており、その第一歩として、今年夏に2級を受験しました。技能まつりへの参加がスキル向上への近道だと思い、挑戦を決意しました。」
組立仕上げの競技では、「ロッド」「蓋」「台」と呼ばれる部品を、ヤスリやキサゲを用いてミクロン単位で仕上げていきます。
規格値は15mm ±20ミクロンとされていますが、実際には±5ミクロン以内に仕上げなければ、滑らかな摺動(しゅうどう)を実現できません。
ロッドが台と蓋の中で適正に動作するよう精度を極める、まさに“匠の技”が問われる競技です。

「例年よりも練習期間が短く、約1ヶ月しか練習できませんでした。限られた時間の中で毎回100点を取れるレベルを目指すのは容易ではなく、精度が安定しない日々が続きました。それでも諦めず、精度の再現性を高める練習を重ねました。」
迎えた本番では、自身の手応えに不安が残る中での結果となりました。
「当日の完成度は1位レベルではないと感じていたので、まさかの結果に驚きました。
努力が報われ、本当に嬉しかったです。1ヶ月間、丁寧に指導してくださったマイスターの別宮さん、そして業務を支えてくれた組立3課のメンバーに心から感謝しています。