新年のご挨拶

令和6年能登半島地震に被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
石川県を拠点に活動する会社として被害の状況を見たり、被災された方のお話を聞くと、本当に心が痛みます。現状社員には大きな怪我があった方などはいません。お客様の機械においては早期の復旧が必要になると思いますので、全力でサポートをさせて頂きます。

お客様や商社の皆様、サプライヤーの皆様、中村留をご支援いただいている多くの皆様方に、昨年を通して大変お世話になったことに心より感謝申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

-2023年を振り返って-
2022年はモノ不足の中でいかに機械をお客様に届けるかを皆で成し遂げた1年でした。2023年は新しい付加価値を創出して現場の負担を削るために尽力した1年であったと感じます。
記憶に残るのは、『WY-100V』。中村留の製品ラインナップにおけるフラッグシップ機械となる製品を世の中に出したことです。そしてヨーロッパのEMOや名古屋のMECTで初お披露目したことです。

新製品開発には、数々の困難が伴いますが、社員の皆さんの粘り強い取り組みがあり、サイクルタイムを30%削減する『最速の、その先へ。』というコンセプトを持つ新製品を出すことができました。多くのお客様からご好評いただけたことは、中村留にとって重要な一歩であったと思います。

-これからの仕組みづくり-
こうした新しい取り組みを実施する過程で感じたことは、新しいものを作る時に現在の自分達の活動を振り返る機会ができるということです。難しく挑戦的な製品ほど、より多くの人を巻き込み、全社で開発や製造を行う重要性を感じました。

中村留は開発型の企業であり、『新製品・ソフトウェア・自動化』の三つの分野で、現場の負担を削る製品を世に送り出していきます。大事なのは新しい取り組みで学んだことを全部署全製品に展開して、中村留の仕組みや体制自体がレベルアップすることです。それが中村留の核心です。皆で1つ1つ学び合える組織にしていきます。

-機械をつくる目的「現場の負担を削る」-
ものづくりを楽しめる世界をつくることが何よりも大事なことだと思います。どこの現場でも課題や大変な作業はあります。しかしその中で「自分が出来なかったことが出来るようになった」「皆で決めたことをなんとか達成できた」「お客様から仕事ぶりを褒められた」など達成感を味わい、やって良かったと思える経験はあるはずです。そのような状況を味わえる場面を中村留の社内でもお客様の現場でも増やしていきたい。

そうした現場が増えれば、それを見て新しい取り組みが生まれたり、将来的に新しい人が入ってきやすかったり、製造業全体の活性化に必ずつながります。今年も名刺を数えると100社以上200人以上のお客様にお会いしましたが、こうしたお客様の中で「複合加工機を導入して良かった」「さらにこんな課題も解決したい」という声を数多く聞くことが出来ました。こうしたお客様の声をどんどん新しい製品に活かしていきます。

-新工場『MAGI』から始まる変化-
昨年は新工場「MAGI」も稼働がスタートしました。機械の作り方を変え、ユニット生産を行うことでリードタイムが短縮されます。ユニット在庫を持つことで営業の受注や取り方も変化し、設計においてもモジュール化を進めることになります。全てが連動していることが重要です。通常、製造現場だけでの工場建設と考えられがちですが、これは全社的なプロジェクトです。MAGIで最も重要だと感じることは、私たちの『取り組み方を変える』ということです。建屋は1つのきっかけにすぎません。

実は11棟目の建屋である「P11」が2006年に出来た時に、3つの建屋を一気に建てる計画がありました。しかしその時は受注状況や建設コストを鑑み、一気に建設をしませんでした。こうした先人の皆様の思いが繋がって出来たのがMAGIです。多くの皆様に支えられた新工場だと思っています。さらなるエリアの稼働を成功させ、今後はAGVも導入されるので、進化が期待されます。私達は新しい工場を世界一の現場にしていくことを目指しています。

-一人一人の活動が大事-
機械は1人で作れるものではありません。全員で1台の機械をつくりあげています。1本のボルトがなければ機械が完成しないのと同じで、誰かの作業が欠けたら機械を作ることは出来ません。これは製造だけではなく、全ての仕事が関わって機械が出来ていることを改めて皆で確認したいと思います。1人1人が新しいことに挑戦して変化が起きると機械も良くなりますし、お客様に喜ばれます。大変な状況でも粘り強く取り組めば、より良い機械が出来ます。こうした変化を皆で起こし、そして皆で現場の負担を削りまくる一年にしたいと思います。より多くのお客様の現場に貢献できるように前進していきます。本年もよろしくお願いいたします。

中村留精密工業株式会社
代表取締役社長
中村匠吾(まるさん)

まるさん