沿革

History
昭和24年(1949年)
金沢市新竪町において個人創業
創業者・中村留男は、地元の繊維機械メーカーを退社し、その2年後、昭和24年(1949)に金沢市新竪町に「中村鉄工所」を立ち上げる。創業当時の社員は、夫婦二人。わずか10坪たらずの工場に旋盤とボール盤があっただけだった。
下請けとしてスタートした鉄工所は、年を経るごとに従業員、機械も増え、順調な滑り出しを見せる。
昭和31年(1956)、業務拡張のために長田本町へ工場を移転。さらに3年後の昭和34年(1959)に同町内の別の広い所へ再度移転した。その頃には従業員も60人ほどに増えていた。
昭和35年(1960年)12月
中村留精密工業株式会社設立、社長に中村留男就任
下請けからメーカーへの転身を図るため、中村留精密工業株式会社を新たに設立。中村留男が社長に就任した。「ナカムラトメ」というユニークな社名は、徐々に市場と社会に定着し、国内外のマーケットを席巻していくことになる。
昭和37年(1962)、最初の製品である油溝切旋盤を発表する。中村留精密工業は、工作機械メーカーとして着実な一歩を踏み出した。
昭和40年(1965年)6月
油圧自動タレット旋盤、発表
事業拡大により人も設備も増強され、長田本町の工場が手狭になり、昭和38年(1963)10月に現在の場所に工場を建設・移転した。以後、当社の商品開発は新たな展開期を迎え、長田町工場時代から開発着手していた油圧自動タレット旋盤の第1号機が誕生した。
昭和47年(1972年)6月
全自動立型レンズ芯取機発表
1年半余りの年月を費やし研究開発を進めて発表した、光学用設備機械(レンズ芯取機)は、ミクロン単位の精度を誇る設備機械として大きな反響を呼び、各メディアを通じて全国的にも大々的に報道された。
同年12月、油圧自動タレット旋盤や全自動立型レンズ芯取機の開発成果と人間関係の良さ、管理努力等が認められ、県内初の中小企業研究センター賞を受賞した。
昭和49年(1974年)10月
NC精密ターニングセンタ発表
昭和49年(1974)9月に開発されたNC旋盤第1号機「精密ターニングセンタATM-4N」は、同年10月に大阪で開催された「第7回日本国際工作機械見本市」にて発表された。当社技術陣の総合力を結集して開発されたこの機種は、専門家からも高い評価を受けた傑作として注目された。
昭和50年(1975年)10月
アメリカ及び西独のサービス・ステーション開設
昭和46年(1971)12月にアメリカとオーストラリア向けATM機の出荷式が行われ、 昭和50年(1975)にアメリカ(シカゴ及びロサンゼルス)、西独(ハンブルグ)のサービス・ステーションが開設された。
昭和57年(1982年)4月
CNC大型複合機械発表
CNC大型複合機械(TMC-5LAM)は、昭和57年(1982)5月の第20回石川県機械工業近代展に新製品として出品され、石川県新製品開発補助金の交付を受けた。多品種少量生産工場での工程集約加工の飛躍的な合理化を図るために開発された機種として、大きな関心を集めた。
昭和58年(1983年)5月
昭和天皇行幸
石川県で開催された全国植樹祭にあたり、昭和天皇がご視察のため、本社工場にお立ち寄りになられました。当社が誇る新製品や無人化工場について前中村留男社長が直接ご説明申し上げると、陛下はとても興味深げに熱心にご覧になられました。本社前にはメモリアルパークとして、記念植樹の木々や行幸記念の像があります。
当社は他にも昭和43年12月に高松宮殿下の来社、前中村留男社長は昭和55年5月に黄綬褒章受章、翌56年には宮中園遊会招待など、数々の栄誉を賜った。
昭和60年(1985年)9月
下町のFAシリーズ発表
従来のFAの観念とはまったく異なった、小さな町工場でも比較的手頃に省力化、自動化を可能にした”下町のFAシリーズ”を発表。
下町のFAシリーズは、昭和61年(1986)大阪国際工作機械見本市で発表以来、ユニークなネーミングが業界・ユーザーへと着実に浸透した。生産コストの大幅削減による合理化策に最適との評価を受け、販売台数は月ごとに増加の一途を辿った。
昭和63年(1988年)4月
2スピンドル精密CNC旋盤 TWシリーズ完成
水平対向型2スピンドル・2タレットを搭載し、同時加工・完品加工を実現した本格的複合機TW-20を発表。高能率・高精度なTWシリーズは、中村留の技術力を世界に示したベストセラー機で、その後のWTシリーズ、SuperNTシリーズの原型でもあります。
昭和63年(1988年)5月
中村健一、社長就任
中村留男社長が会長に就任し、中村健一副社長が社長に昇格。
前社長からの中村留社風と方針を受け継ぎ、時代の変化に対応できる柔軟な体質を目指し、挑戦や躍進の幕開けとなった。中村留ファミリーをより豊かに成長性を持つように目指している。
平成5年(1993年)4月
液晶ガラス加工分野進出
これまでのガラス加工技術を生かした新分野の開拓を進めてきた当社は、平成5年(1993)4月に液晶ガラス面取機NCF-500を発表し、総合ガラス加工機メーカーとして事業領域を拡大する。
平成6年(1994年)11月
ISO9001 BVQi(現BVJ)認証取得
平成5年(1993)12月より、ISO9001認証取得のためのプロジェクトが結成され、翌年11月10日、審査機関BVQiから認証を取得しました。
平成10年(1998年)9月
ISO14001 BVQi(現BVJ)認証取得
平成10年(1998)春より、認証に向けて環境マネジメント構築活動が進められ、同年9月26日、審査機関BVQiから認証を取得しました。
平成10年(1998年)11月
長寿の森完成(創業50周年)
長寿の森で創業50周年記念植樹が行われた。 中村社長のあいさつの後、約420本が全社員により植樹された。
平成12年(2000年)5月
超複合機分野進出 STW発表
TWシリーズの高生産性をそのままに、1台で旋削とマシニングセンターの加工ができる超複合加工機STW-40を発表。2スピンドル・2タレットに専用工具軸主軸とATCを搭載し、1台であらゆる加工に対応できる機械として、高い評価を受けています。
平成12年(2000年)9月
OHSAS18001 BVQi(現BVJ)認証取得
中村留精密工業株式会社で働くすべての従業員の労働安全衛生の向上のため、平成12年(2000)4月より、全社的にOHSAS18001認証取得の準備が進められ、同年9月10日に審査機関BVQiより取得しました。
平成17年(2005年)5月
中村健一社長、㈳日本工作機械工業会会長に就任
国内の金属工作機械製造業者を会員とする、社団法人日本工作機械工業会の会長に、中村健一社長が就任。
国際的に最先端の技術を持ち、25年以上にわたり世界一の生産額を誇る日本の工作機械業界のトップをおおせつかりました。
平成18年(2006年)11月
大型組立工場プラント11完成
ショールームと最新式の組立工場からなる建物です。
最新のデモワークが展示されており、CADCAMルームの液晶モニターで実際の加工VTRが見られるようになっております。
また、評価実験室なども装備しています。
平成20年(2008年)9月
MM AWARD(旋盤部門)受賞
複合加工機 Super Mill が欧州の権威ある展示会「 ドイツAMB2008」において「最も革新的なマシン」旋盤部門を受賞しました。
平成20年(2008年)11月
㈳日本経済団体連合会 御一行様 本社工場をご視察
キヤノン(株)御手洗会長をはじめとする
日本経済団体連合会と北陸経済連合会の御一行様約30名がご視察。
「複合加工機のトップランナーとして海外を中心に活躍され、
日本の工作機械産業の高度化に貢献されている」とのお言葉を頂戴するとともに、
キヤノン(株)の工場で活躍しているレンズ加工機もご視察して頂く良い機会に恵まれました。
平成22年(2010年)4月
カバーガラス加工機分野進出 NMPG発表
スマートフォン用カバーガラス加工対応
ガラス研削機の新機種 NMPG150を発表
平成23年(2011年)10月
いしかわモノづくり産業遺産認定
平成23年(2011年)10月 油圧式自動タレット旋盤NT-5型が、石川モノづくり産業遺産に認定される。
この旋盤は、昭和38年に製作されたもので、同シリーズは、昭和61年まで製造販売され、5000台を達成した大ヒット製品である。
平成24年(2012年)10月
KNT CO.,LTD 中村留韓国工場完成
平成24年(2012)10月 中村留 韓国工場を完成致しました。
韓国大邱市北区に敷地面積19,000m²に建築面積5,230m²の近代的な工場です。
平成27年(2015年)12月
新大型組立工場P12と新加工工場完成
新しく完成したプラント12は第12番目の工場となります。
大きさは、延床面積 5781㎡ で、事務所・ユーティリティエリアは、1階にガ ラスパーテーションで区切られた測定室と2階に各工場を見渡せる組立事務所と50名が入れる研修 室が配置されています。また、大型加工工場も完 成し、加工能力増大に向けて5面加工機の導入を 行っています。空調機は吹き出し口を地上から約 6mの高さに配 置し、±1°以内に温度差抑制を 行っています。
平成30年(2018年)12月
厚生ホール完成
1階は全体朝礼などを行う講堂、2階は社員食堂からなる厚生ホールが完成。
鉄骨2階建て、延べ床面積2200平方メートル、周囲がガラス張りの開放的な空間であり、また、天井には石川県産のスギ材を使用し、白山をイメージしたデザインに仕上げられました。
新たな社員の憩いの場が完成し、社員一同大変に喜んでおります。
令和4年(2022年)4月
中村匠吾 代表取締役社長就任
中村健一代表取締役社長が代表取締役会長に就任し、中村匠吾専務取締役が代表取締役社長に昇格。
前社長から中村留の方針を受け継ぎながら時代変化と共に様々なことに挑戦し、更なる進化を目指していく。
令和5年(2023年)6月
中村留独自の検定『複合加工機検定』を実施
当社の複合加工機を持つお客様に対し、独自の「複合加工機検定」を実施しました。
業界初の試みで、製品の図面を基に工程を決め、プログラムを作成し、実際に加工するまでの操作レベルを評価します。
このような機会を通じ、複合加工機の利点やものづくりの楽しさを多くの人に知ってもらいたいと思います。
令和5年(2023年)7月
第53回機械工業デザイン賞IDEA「日本工作機械工業会賞」受賞しました
ATC型複合加工機 JX-200が第53回 機械工業デザイン賞IDEA「日本工作機械工業会賞」を受賞いたしました。
キャッチコピー『「できない」を「できる」に変える 』
令和5年(2023年)8月
大型組立工場プラント13 MAGIが完成
新しく完成したプラント13は13番目の工場となります。「MAGI」の名前は社内公募により決定しました。
東方の三賢者マギのごとく従来の建屋2つ(p11.p12)と新工場(P13)が三位一体で賢者のように、スマートに知恵とITを駆使して良い機械をつくるという想いと、複合加工機で魔法(magicの語源)のようにお客様の負担を削るという想いから「MAGI」と名付けました。
3つが揃うことで各ユニットの製作から製品仕上げの組立、そして出荷までを一気通貫で生産することを目的としています。